バイオマス度90%以上のセルロースファイバー成形材料 『kinari』のサンプル販売及び「kinari70-PP」の量産販売開始
パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社は、パナソニック ホールディングス株式会社 マニュファクチャリングイノベーション本部で開発したバイオマス度[1]を90%以上に高めた成形材料を『kinari』※1(以下、kinari90)として、2024年1月よりサンプル販売を開始します。併せて、「kinari70」については量産販売に切り替えます。
パナソニックグループでは持続可能な未来に向けた長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」において、2050年に向けて、全世界CO2総排出量の「約1%(≒3億トン)」の削減インパクトを目指しています。その中の一つの取組みとして、2015年より石油由来樹脂の使用量削減による環境負荷低減を目指し、天然由来のセルロースファイバーを活用した材料開発を進めてまいりました。2019年にはセルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari55-PP」を、2021年2月にはセルロースファイバーを70%の高濃度で樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari70」の開発に成功しました。さらにバイオマス度を高めるため、石油由来樹脂(ポリプロピレン)をサトウキビの搾りかすである廃糖蜜から作られるバイオポリエチレン(バイオマス度90%以上)に置き換えし、成形材料としてバイオマス度90%以上で「kinari55-PP」と同等の強度をもつ成形材料を開発しました※2。
「kinari55-PP」については2022年12月より量産販売を、「kinari70」については2023年4月よりサンプル販売を開始※3し、多くのお客様に検討いただいています。そして、この度成形材料「kinari90」についても、2024年1月よりサンプル販売を開始します。併せて、サンプル販売をしていた「kinari70」については、「kinari70-PP」として量産販売に切り替えます。お客様のご要望にあわせて、材料特性の調整や生産財(金型や成形プロセスなど)の提供も行い、高濃度セルロースファイバー成形材料の特長である高強度とデザイン性を活かし、家電筐体や車載部品、並びにハウジング内装部材、また衣料品や日用品、食品容器など様々な業界に対し、環境への貢献と新たな商品価値創出の両立を目指し、展開を進めてまいります。
【kinari90の特長】
1. バイオマス度90%の高濃度セルロースファイバー成形材料
2. kinari55-PPと同等の強度を達成
3. 主成分が天然由来成分(セルロースファイバー55%含有)となり、樹脂使用量を削減可能
「kinari90」 「kinari90」を用いた成形体
kinari55-PPとkinari90の応力-ひずみ曲線
【今までの展開事例】
- 2019年7月 「高濃度セルロースファイバー成形材料」を活用した環境配慮型リユースカップ展開開始
- 2022年3月 三陽商会のサステナブルファッションブランド「ECOALF」との共同開発
- 2022年4月 PPEとケーワールドismの共同開発「ソープディスペンサー」及び「ソープディッシュ」を発売
- 2022年6月 福知山市とパナソニックグループが共同でSDGs時代の素材を活用した「人と環境に優しい小中学校の給食食器」開発の取組をスタート
※1:『kinari』はパナソニック ホールディングス株式会社の登録商標です。
※2:パナソニックグループ プレスリリース
2022年3月18日 バイオマス度90%以上のセルロースファイバー成形材料を開発 https://news.panasonic.com/jp/press/jn220318-2 ※3:パナソニックグループ プレスリリース
2023年3月16日 70%高濃度セルロースファイバー成形材料『kinari』のサンプル販売開始 https://news.panasonic.com/jp/press/jn230316-1